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2018年03月15日

CJ40巻頭特集よりHEIWA MOTORCYCLE “Dirty Pigeon”

HEIWA MOTORCYCLE
Dirty Pigeon

 

YOKOHAMA HCS2017 BEST OF SHOW MOTORCYCLE

日常と変わらないスタンスの中で果たされたHCSベスト・モーターサイクル二連覇の偉業

ショーで過剰なまでにアワードを狙うのではなく、あくまで顧客の要望に沿った日常の
スタンスを崩さず、結果としてトロフィーを勝ち取ること……
ある意味、そんな理想的な形でHCS二連覇を果たしたのがご存知、広島の平和モーターサイクル。
頂点の風格が漂う美しき一台をここに見る。

文・写真=渡辺まこと text & photographs by MAKOTO WATANABE
取材協力=平和モーターサイクル phone 082-298-3313 http://www.heiwa-mc.jp/

 出展枠650の中で頂点の栄冠に輝くこと……日本最大にして世界からも注目を集めるYOKOHAMA HCSにエントリーするビルダーの多くは、そのベストを目指し、カスタムビルドに対峙していると思うが、ズバリ言ってしまえばすべての人にとって結果が狙いどおりにいくとは限らない。
たとえばショーでアワードを獲得するにはオリジナリティやフィニッシュワーク、車体の造りから窺い知れる走行性能など様々な要素が審査のポイントして問われ、最終的にトロフィーに繋がるのだが、たとえばソレを狙うあまりに過剰に凝ったギミックを散りばめ、ともすればバイクとしてのパフォーマンスを著しく損なってしまったものや、技術自慢に終始したものが頂点を勝ち獲ることは正直言って難しい。また“HOTROD SHOW”の冠のとおり、アメリカのカスタム・カルチャーを匂わせるムードも重要である。
そうした中、今回のベストに選ばれたのが昨年に続き広島の平和なのだが、ビルダーの木村健吾曰く、この一台は前回と比べると、どちらかといえば“普段の仕事”の延長線であり、その上で“新たなスタイルの提示する”という感覚で創り上げたものとのこと。3ピース構造となった直線を基調とするフレームワークや各部のフィニッシュは確かにベストとして相応しいクオリティを備えているのだが、落ち着いた色合いは、“やり過ぎない”絶妙なサジ加減だ。
顧客の要望に寄り添い、製作した車両がショーの頂点に輝くこと……これはビルダー冥利に尽きる理想かもしれない。

 


“直線的なラインで細く”をスタイル・コンセプトに掲げ、製作が着手されたというこのマシン。フレームは3分割構造となっている。

 


車体パーツをサブフレーム内に収めたスリムなフォルムを実現すべくリアサスはモノショックに変更。その後方にセットされたコンパクトなオイルタンクは当然、平和によるワンオフ。

 


ステムのトップナットから、そのまま延長されたかのようなデザインのハンドルも平和によるワンオフ。ブレーキマスターはグリメカ製。

 


“可能な限り細く”というスタイル・コンセプトどおりマフラーはサブフレームの内側を通る形でセット。シンプルなバックステップやアルミ・スイングアームも平和製。

 


鋳物のテールランプは平和がリリースするオリジナルを装着。ショー用のナンバーは平和店舗の二階にある雑貨屋、ぽっぽの店長を務めるピンストライパー、LOUの手によってドローイングが施される。リアブレーキはバッキングプレートをワンオフで製作したもの。

 


Fフォークはイタリアのメーカー、パイオリを選択。トリプルツリーはフランスのトライアル車のSCORPA用を加工し、装着。ヘッドライトはメーカー不明のヴィンテージでステーは平和によるワンオフ。フロントホイールは19インチを選択する。

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