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2019年09月04日

2%er YAMAHA SR400 #173


取材協力=ツーパーセンター phone 077-526-7016 https://2-percenter.com/

オーナーの体格に合わせたリジッドラインSRチョッパー

「乗り手、一人、一人に合わせたパーソナルなもの」。チョッパーという乗り物には、工場から出荷されたバイクと違い、そんな基本原則がありますが、ここに見る滋賀の2%erによる一台は、まさにそんな掟に則って創り出されたものです。
聞けば車両オーナーは身長190cmほどの長身を誇る人物、それゆえにSRという素材でチョッパーを製作した場合、ともすれば車体が乗り手の体格に負けてしまう懸念もありますが、2%erのマシンに関して言えば、その限りではありません。
同店ではSRのフレームのリアセクションにボルトオンで装着可能な『リジッドライン・ボルトオンハードテイル』をオリジナルパーツとしてラインナップしているのですが、その長さも複数用意。この一台には最長サイズの13cmロングのテールを装着し、堂々とした車格を実現しているとのことです。

またフロントフォークも15cmロングインナーチューブと15cmロングフォークジョイントを組み合わせ、ストックよりも30cm延長。前後のパーツを巧く使用することで車体のバランスが整えられています。
このロングフォーク化されたフロントにはチークバーを装着し、フォークの『ヨレ』が防止されているのですが、このパーツによるスタビライザー効果は、高速コーナーでも安定の走りを実現するとのこと。確かに、こうした一台ならロングライドでの『楽しさ』もヒトシオかもしれません。

実際にこの一台をオーダーする際、オーナーの希望は「リジッドで荷物がたくさん積めて疲れにくい旅仕様」だったそうですが、車体の姿はシッシーバーに沿うよう設定されたワンオフのハイバックシートに荷物をくくりつけ、旅する光景が目に浮かぶものとなっています。ちなみにこのリアセクションはハイバックシートの内部にも補強のサブフレームが仕込まれているとのことで、振動の多いSRという車両の特色を知るスペシャリスト、ビルダー山口隆史氏らしい配慮が行き届いたものとなっています。
スタイル的にもネックからリア・アクスルにかけてストレートなラインで仕上げられたフレームやスポーツスタータンクのマウント位置、フォークやシッシーバーのバランスなど絶妙なフィニッシュです。
SRをベースにしたチョッパーといえば素材の車格が起因となり、必要以上にコンパクトになってしまったものを多く見受けることもありますが、やはりチョッパーとは操る乗り手ありきのもの。そんな基本をまざまざと思い起こさせてくれる一台です。


ハンドルはフラットドラッグバーとパウコタイプ3”ライザーを組み合わせ、ほどよい高さにセット。スイッチもユニバーサルタイプに換装し、チョッパーらしいシンプルさを演出します。


テールセクションは2%erオリジナルのリジッドライン・ボルトオンハードテイルを装着。この車体にはオーナーの車体に合わせて13cmロングのものが装着されており、堂々とした車格を確保します。

タンクは汎用のスポーツスタータンクのトンネル部を加工し、装着。オイルイン・フレームのSRの極太な骨格に合わせ、バランスが整えられています。


シッシーバーに装着されたライセンスプレート一体型のテールランプはビルトウェル製を選択。オールドスクールに似合うプレーンなデザインながらLEDを内蔵します。

シートは2%erによるワンオフのハイバックシート。この手のSRチョッパーのシッシーバーは振動で折れることが多い為、シート内部にも補強のサブフレームを内蔵し、対処。こうした細かなディテールの『詰め』がバイクとしての完成度を高めます。


ヘッドライトはデッドストックのディキシー製スクエアタイプを2%erオリジナルのデュアルライトステーを使い、二連で装着。オールドスクールなムードが高められています。
 

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