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2019年11月04日

HOTCHOP SPEED SHOP 『Toshiki’s 67y』


取材協力=ホットチョップスピードショップ phone 075-632-7888 http://www.hotchop.net/

細部のディテールワークに左右されないビルダーが持つ個性

 個性的なディテールを散りばめながら、それらが破綻することなく一台のマシンの中で纏まりを見せること……そうした車両を目にするとビルダーが持つ『個性』や『センス』を感じさせられることも多いのですが、京都に店舗を構えるホットチョップスピードショップのビルダー、中野健太郎氏も確固たる『オリジナリティ』を感じさせる創り手の一人。ここに紹介する1967年式アーリーショベルをベースとしたチョッパーにしても、シングルダウンチューブやKRタイプのリアアクスル周りとなったフレームワークや凝った造りのタンクマウント、ヘキサゴン型のマフラーなど個性的なディティールが与えられているのですが、やはり感じさせられるのは『ホットチョップ』らしさと、絶妙なバランス。ご覧のとおり一台のチョッパーとして隙のないクオリティに仕上げられています。

 ちなみにこの一台を製作するにあたって、当初はオーナーの希望により「リアホイールを19インチにした個性的かつド派手なマシン」というオーダーを受けたとのことですが、製作過程で「やはり落ち着いた雰囲気で」との発注が掛かり、途中で路線変更。フロント21インチ、リア19インチというセットアップはそのままとしながらも、そうしたエピソードを感じさせない違和感のないフィニッシュは流石の一言です。

 ちなみにこの車両は2013年のYOKOHAMA HCSでベスト・アメリカンモーターサイクルのアワードを獲得しているのですが、極上のチョッパーの条件として数えられる項目の一つである『時代を超えても古さを感じさせない』点も、今だからこそ痛感させられる部分。6年前に完成となったことを忘れさせる姿は見事に尽きるものです。
 極上のチョッパーは決して廃れないもの……そんな事実を、改めて感じさせる『ホットチョップ』らしい一台です。


1967年式アーリーショベルのロッカーカバーは装飾を施し、個性を演出。S&S製Eキャブに装着されたエアクリーナーはホットチョップ製。


タンクマウントを兼ねた装飾により個性を演出する外装周り。フロントサイドも裏側でフレームマウントとなっている為、振動対策にも抜かりはない。ペイントはカミカゼピンストライピングが担当。


亀甲柄といっていいステッチのシートはアトリエチェリーが製作を担当。個性的なデザインと実用性を両立する。タンクマウントとコーディネートされたフェンダーストラットのデザインにも注目したい。


マフラーはエンド部がヘキサゴン形状となったワンオフを装着。こうして写真を並べるとシートのステッチ・デザインと統一感が果たされていることがよく分かる。


ジャックハマーグリップが取り付けられたライザーバーもホットチョップの手によるワンオフを装着。要所にエッジの効いたデザインを取り入れることで車体の雰囲気を纏め上げている点は流石だ。

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