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2019年11月10日

SURESHOT 『HOLE SHOT EFI』


取材協力=シュアショット phone 043-312-0900 https://sureshot.jp/

シュアショットが示すEFIスポーツスターの可能性

 2004年からラバーマウント・モデルが登場し、2006年からは吸気がキャブレターから電子制御のEFIへと変更され、時代に応じた進化を果たし続けるモデル、スポーツスター……地球温暖化対策など、諸々のことを考えれば、この先の時代はキャブからインジェクションどころかガソリンによる内燃機関が電気式のモーターに成り代わることも予想される世の中ですが、『素材が何に変わろうともカスタマイジングという行為によってノーマルのバイクを更にクールに、楽しくする』こともプロビルダーに課せられる条件ではないでしょうか?
 そうした中、千葉県の八街市に店舗を構えるシュアショットのビルダー、相川拓也氏が唱える姿勢と、ここに紹介するマシンのコンセプトは、ある意味、この先の時代に『カスタム・バイクが生き残る指針』となるものかもしれません。

 シュアショットといえば過去のYOKOHA HCSへの出展車両から、ショベルやナックルをベースとした旧車然としたハーレー・カスタムを得意とするショップというイメージを持つ方も多いと思いますが、その一方で力を注ぐのが自社で備えるダイノマシンを使った『インジェクションモデルのチューニング』です。この『HOLE SHOT EFI』を製作した動機に関しても「未だインジェクション車のハード・カスタムを殆ど見ない日本のシーンに危機感を感じたから」とビルダーの相川氏は語ります。

 実際、車両を見るとタンク右サイドにダウンドラフト・スタイルで備えられたインジェクターが目に飛び込みますが、ここはワンオフのインテークマニホールドを装着することによってツイン・インジェクター化を実現。このインテーク・レイアウトの変更に合わせ、タンクはアルミによってワンオフで製作されています。
 また外装の変更によって軽量化を果たされたこの車両は、ラバーマウント・スポーツスターモデルの弱点であるスイングアームの構造を見直し、ピポッド部分をリジッドマウント化。「バイクとして、あるべき姿」に戻した上で前後にオーリンズ製サスを装着し、トリプルツリーとホイールをミスミエンジニアリング製アルミビレットに換装することで走行性をスープアップ。ブレーキもローターをミスミ、キャリパーをブレンボとすることで強化が果たされています。
 現在、ハーレーのカスタムシーンではアイアン・バレルのショベル以前のモデルが人気を博し、それが主流となっています(まぁ、それはそれでカッコいいのですが)が、やはり現行のモデルにも目を向けることもしなければ我々の業界に未来は見えません。
 そうしたことを踏まえると、このシュアショットによる『HOLE SHOT EFI』が持つ意義は大きいと云えるのではないでしょうか?


EFIはワンオフのマニホールドによってダウンドラフト&ツイン化。そのレイアウト変更に伴い、ワンオフで製作されたアルミ・タンクの造形も見事です。ペイントはRIO STUDIOが担当。


スイングアームはK&J製をナロー化した上でピポッド部をリジッドマウント化。あえてペイントを施したミスミ製ビレットホイールやブレーキローター、ブレンボキャリパーにオーリンズサスもスパルタンなムードを醸します。


ライズの低いNEKEN製ハンドルバー&ライザーも戦闘的なポジションを実現する要素の一つ。タコとスピードが一体となったKOSO製オールイン・ワンメーターもレーシーなムードを強調します。グリップはDOMINO製。スイッチ類はPINGEL製を装着。


フットコントロール周りは大阪のトランプサイクル製バックステップを装着。ワイド化されたリヤタイヤにあわせ、ドライブスプロケットもオフセットタイプに変更済み。

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