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2019年10月02日

Orange Speed Shop 『N.O.R』


取材協力=オレンジスピードショップ phone 0178-29-3909 http://orangespeedshop.com/

徹底したディテールワークから伝わるビルダーが抱く情熱

 目で見て徹底的に手が加えられていることが伝わるディテールの造り込み……そうしたカスタムマシンからは単純に創り手の技術やセンス、そしてカスタムに対する情熱が伝わるものですが、青森県の八戸市に店舗を構えるオレンジスピードショップによるここに紹介する一台は、まさにそんな事実をストレートに示す存在といえるかもしれません。
 凝った造りのリアアクスル周りやグースネックが印象に残るワンオフフレームに93cu-inのS&S製KNモーターを搭載するというスペックから、この車両に厳密なベースが存在しないことは容易に想像がつくと思いますが、その完成の姿はというとご覧のとおり見事に尽きるもの。ビルダーである石田将洋氏の高い技術力を如実に表すフィニッシュが与えられています。

 リジッドフレームにナックル・モーター、そして74スプリンガーと聞けば多くの人がオールドスタイルのボバーやチョッパーを想像するかと思いますが、このマシンはどちらかというとハイテックなムードを漂わせるもの。前後に装着された23インチホイールが個性を感じさせるのですが、不思議とそこに違和感はなく、あえて例えれば『未来的なボードトラックレーサー』然としたムードを漂わせています。

 たとえば徹底的にディテールを造り込んだマシンでも、『全体のシルエット』が崩れたものがカスタムショーの会場で評価を受けることは難しいのが現実です。まずは人目を惹く優れたフォルムがあってこそ、表面の処理やペイントの色味、その後のディティールの造り込みなどへの評価に繋がります。そうした部分を踏まえて考えても、このマシンは、すべてに於いてかなり高いアベレージであると断言出来るものです。
 2014年のYOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOWで我々、チョッパージャーナルはこの一台をピックに選ばさせて頂きましたが、今、改めて眺めてみても、その時の判断は間違いではなかったと思います。カスタムショーで『見る側』が評価すべきはスタイルと創造性、そして無機質な車体から伝わる創り手の情熱……その点、このマシンは完璧です。


エンジンはS&S製のKNモーターを搭載。Eキャブに装着されたワンオフのエアクリーナーやオイルタンク、各部のブラスパーツで全体の統一感が図られている点も見事。


アルミで製作されたタンクもオレンジスピードによるワンオフを装着。あえて金属の下地を活かしたフィニッシュにビルダーの高い板金技術がストレートに伝わるものとなっている。凝った造りのマウントやエンジンハンガーにも注目したい。


マフラーもアルミとブラス、二つの異なる金属素材を使い、全体のイメージとの統一感が図られたもの。こうした細かな箇所への拘りによってカスタムとしての完成度が高められている。


ワンオフのハンドル前に装着されたメーターはMMB製。メーターケースもオレンジスピードショップによるビレット。ブレーキマスターはカスタムテック製を選択する。


美しいカーヴィングが施されたシートもワンオフで製作したもので、ご覧のとおり後部を跳ね上げ、走行時のホールド感を確保する。レザークラフトとして見ても秀逸な出来栄えだ。


プリモ製2インチオープンとなったプライマリー周りもご覧のように凝ったデザイン。こうした箇所の『詰め』もカスタムの評価を左右するポイントです。


エアクリーナーからオイルタンク、そしてフェンダーチップへと『フィン』で統一されたデザインも見事。23インチリアホイールに装着されたスプロケブレーキのキャリパーはPM製をチョイスする。

 

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