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2020年05月04日

HEI CHOP SHOP 1977 IRON HARD TAIL


取材協力=ヘイチョップショップ phone 0566-91-9505 http://heichop.com/

標榜するのは1960年代チョッパーの艶やかさ

 1940年代のBOBBERが起点となり、その後に華開いていったチョッパーというカルチャーですが、もともとは軽量化や当時のTTレースなどで荒れ地での走行性を追求したマシンの装飾性が高められ、やがてそれが一つのスタイルへ発展していったのはご存知のとおり。特に60年代頃からは多くのバイカーやビルダーが「より美しく」「より個性を求めて」それぞれにマシンを創り上げていったという歴史的背景があるのですが、ここに紹介するHEI CHOP SHOPによる一台は、まさにそんな時代のイメージを取り込み、現代の技術で再現したもの。60年代といえばチョッパーを彩る「塗料」も発達し、それを使うカスタムビルダーやペインターの技術も飛躍的に向上するのですが、ビルダーの平生直也氏が目指したのも、そんな60’sチョッパーの「艶やかさ」だったとのことです。

 この一台のベースとなったのは1977年のXLH、俗にいう「アイアンスポーツ」なのですが、車体はHEI CHOP SHOPの手によって純正のKフレームをハードテイル化。フロントフォークはストック長をキープしているのですが、トリプルのトップブリッジ部にヘッドライトを装着することにより、可能な限りロングフォークに見えるようパーツをセットアップ。こうしたテクニックも往年のチョッパービルドで見られた手法に準じたものとなっています。
 もちろん、ベース車両の年式とスタイルコンセプトの関係性からお分かりのとおり、このマシンは単に「60年代を再現」したものではなく、取り込んだのはあくまでも「イメージ」。ショットガンとアップスウィープをかけ合わせたかのようなマフラーのデザインや、シートメタルを多面的に組み合わせて製作されたコフィンタンク、全体に施された美しいペイントワークなどは、すべてビルダーの平生氏がクリエイトしたものであり、いうまでもなく現在の技術で生み出されたものです。
 いにしえの時代から多くのビルダーやバイカーが求め続けたチョッパーの美しさや個性……この一台は、その精神こそが「永遠不滅」のものであることを強く指し示しているような気がします。


ベースとなった1977年式XLHモーターはカムカバーをカットし、スタイルイメージを変更。4カムレーサーから続く定番の手法で仕上げられています。キャブはストックのケーヒン・バタフライ。エアクリーナーはFORK製を装着。


エアブラシとレースペイントで美しく仕上げられたコフィンタンクはHEI CHOP SHOPによるワンオフを装着。ピンク&ホワイトという「ファンシー」なイメージになりがちなカラーリングを巧く纏め上げている部分にもビルダーのセンスと技を感じます。

ワンオフのキング&クィーンシートも車体に合わせてホワイトレザーでフィニッシュ。リアフェンダーとタイヤのクリアランスやシッシーバーの造りもプロの技術を感じさせるものとなっています。ヘキサゴンタイプのオイルタンクやマフラーもHEIによるワンオフが装着されます。

 

 

 

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